【政宗】
きれいな後ろ姿だと思った。
それが第一印象。
しゃんと伸びた背筋に癖のない髪。
ふわりとした雰囲気の割には図書館のカビ臭い分厚い本の字を追う真剣な瞳。
奇しくもそれは俺が読みたかった本だった。
わざわざ隣の市まで行くのも面倒で、読み終わらないかと隣に突っ立って適当な本を読んで時間を潰す。
「あ、」
「あ?」
女はこちらを見て俺の手の中の本を見る。
「す、すみません。それ次読みたくて」
「構わねぇよ。それよかおたくの本、次貸してくれねぇか?」
「えぇ、どうぞ。レポート、ですか?」
「まぁな」
「大変ですね。あ、私をって言います。えっと、あなたのお名前は?」
「伊達政宗」
だてまさむね、と繰り返したは本を手渡しながら笑う。
春の日だまりみたいな笑みに、俺のすべてが引き付けられたのだ。
きれいな後ろ姿だと思った。
それが第一印象。
しゃんと伸びた背筋に癖のない髪。
ふわりとした雰囲気の割には図書館のカビ臭い分厚い本の字を追う真剣な瞳。
奇しくもそれは俺が読みたかった本だった。
わざわざ隣の市まで行くのも面倒で、読み終わらないかと隣に突っ立って適当な本を読んで時間を潰す。
「あ、」
「あ?」
女はこちらを見て俺の手の中の本を見る。
「す、すみません。それ次読みたくて」
「構わねぇよ。それよかおたくの本、次貸してくれねぇか?」
「えぇ、どうぞ。レポート、ですか?」
「まぁな」
「大変ですね。あ、私をって言います。えっと、あなたのお名前は?」
「伊達政宗」
だてまさむね、と繰り返したは本を手渡しながら笑う。
春の日だまりみたいな笑みに、俺のすべてが引き付けられたのだ。
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