【政宗】

は頭を撫でられるのが好きだった。
柔らかい髪は指通りがよくて、くすぐったいのと同じに気持ちいい。
一度髪を撫でてやればくすくすと笑みを洩らすはかわいい。

「なに笑ってんだよ」
「政宗くすぐったい」
「んだよ、好きだろ?」
「やだー!」

ふたりしてふやけた笑みでくっついてもみくちゃになってソファの上で横になる。
吐息と心音が合わさって、の丸い目は俺を見ていた。

「政宗、すき」

次いでとろりと滲む表情が堪らなく甘く、俺は返答もせずにの唇にキスをした。
触れるだけの稚拙なキス。

「俺も、が好きだぜ」

赤くなったを苛めるように、耳元で囁けばが震える。
それが酷く愛しくて、俺はゆっくりとにキスをした。
舌を絡める深いキス。
は応えるように息を上げていた。