政宗は色んな話をしてくれた。
生粋の日本人なのにたまに淀みない英語を彼は操る。
耳に優しい洋楽みたいで、私は政宗の声がとても好きだった。
歌って、とせがめば政宗は快く頷く。
その響きが心地よくて、心の深い場所をくすぐるのだ。

「ねぇ、それなんて曲だっけ」
「またか?」
「だって、忘れちゃったんだもん」

政宗の声が気持ちよくて、いつもふわふわしてしまって政宗の話はたまに聞き逃してしまう。
そう説明すると政宗は笑って私の頭を撫でるのだ。
まるで小さな子供を相手にするみたいに。
政宗の掌はいつだって優しい。
そういえば、さっき政宗に聞いた質問なんだっけ?