前田の風来坊こと慶次さんはあいからわず武田領にいるし、最近では奥州の政宗さんまで上田城に遊びに来ている。
戦国時代って意外とみんな暇なのかなぁ?

「Hey!MySewwt逢いたかったぜ!!」
「やっほーちゃん!今日も来ちゃった!」

「いらっしゃーいとか言いたいんですけどね、ここあたしの家とかじゃないし、ちゃんと幸村さんに挨拶してください!」

後からやってきた片倉さんが「申し訳ない!」と頭を下げている。
ああ、奥州にいなくても心労がきてますね。

「ちゃんと挨拶は通してあるから平気なんだよ。 、そろそろ休憩しないか?今日は土産あんだぜ?」
「お!奥州名物のずんだ餅じゃん!俺コレ好きなんだよなー!」
「風来坊!てめぇのじゃねぇ!に持ってきたんだ!!」
「あーもー喧嘩しないでくださいよぉ!お茶持ってきますんで喧嘩しないで待っててくださいよ!」

縁側で待ってもらって(なんであがらないんだろう?)お盆に急須とお茶を載せて持っていく。
うーん、自分も随分なれたものだ。
流石に毎朝幸村さんに差し入れしてるだけはあるよね!
きゃ、マネージャーっぽい!

「まねぇじゃあってなんだい?」
「ちょ、慶次さん読心術ですか!?」
「声に出てたぜ、honey」
「だからハニーじゃないから」

はいどーぞ、と湯飲みを渡してあげながら政宗さんが持ってきたずんだ餅をいただく。
ん、甘すぎなくてコレもおいしい。

「相変わらず幸村一筋なのかよ」
「当たり前です!あたしはもう本気で幸村さんのことしか考えられないもん」
「いいねぇ、恋してる女の子は強い強い!でもさ、報われない恋じゃないかい?幸村は、ああだし」
「初心で女心のカケラもわかっちゃいねえあんな若造の何がいいんだ?俺の側室ならのためにいつでも空けておくぜ?」
「側室って奥さんですか?」
「そうだ。いつまでもここで腐ってるつもりか?」
「おいおい独眼竜、女の子に腐ってるなんて失礼だぞ?」
「慶次さんも十分失礼ですよ報われないとかまったく!」

お茶をぐいっと男らしく飲み干す。
まったくこの二人は幸村さんのよさがカケラも判っちゃいないのか!

「あたしは政宗さんの奥さんにはなりません。幸村さんへの恋が報われなくったって構わないんです」

「Why!?」
「なんでだい!?」

二人してすごい剣幕で食いついてきた!
怖いよ!

「あのねぇ、あたしが幸村さんに逢える確立なんて、ほんとはゼロだったの。
一生。ううん一生涯会えるはずなかった。でも神様の悪戯かなんかであたしは幸村さんに会えた。
命を救ってもらえて、一緒に暮らせるなんて高待遇!
毎日声をかけれて、お団子食べながら笑いあえて。それでいいんです。会えるはずない人に出会えて、恋できたんです。あたしはそれだけで十分。すっごく幸せなんです」

そこまで言っても二人はまだなんだか納得いかないみたいだ。

「・・・あたしが幸村さんを想う気持ちは、恋じゃなくて、愛なんです。対等じゃなくても構わない。ただ、傍にいられるだけで、幸せなんです」

あたしは脳裏に幸村さんの満開の笑顔を思い浮かべがら、胸に灯る火に口元をほころばせた。


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ていうか



みなさん暇なんですか?